アットホームな宿「インワ・ゲストハウス」と、 スタッフのジョウさん[ミャンマー・バガン]

bagan 2  アットホームな宿「インワ・ゲストハウス」と、 スタッフのジョウさん[ミャンマー・バガン]

バガンの旅、初日の朝。

予約しておいた宿「インワ・ゲストハウス」のスタッフが、空港までお迎えにきてくれた。
私ひとりのために、男性がなんと3人も。
「Akiko」と書かれた紙を持った3人は、私を見つけてニコニコと微笑んでくれた。

一泊20ドルと決して高くはない宿なのに、なんて手厚い歓迎だろう♪
と、感心していたのに、ロビーから駐車場に向かうまでの間、誰一人として、私の重たい荷物を持ってくれる人がいない。アレ……?

車に乗り込んでからも、私のことはそっちのけで、3人で談笑。
運転手以外の2人は、一体何しに来たんや〜〜!  単にヒマだっただけ!?

と、スタートはこんな感じだったけど、「インワ・ゲストハウス」は、素晴らしい宿だった。
町の中心に位置していて、周りにはたくさんのレストランや、おみやげを売っている大きな市場があり、とても便利。
朝食は、眺めの良い屋上のテラスで食べるので、朝から清々しい気分になれる。
上の写真は、そのテラスから撮影した。

部屋はまあまあ清潔で広くて、エアコン付き。
シャワーは水しか出ないけど、バガンの気候がとても暑く乾燥しているので、それほど気にならない。

問題点といえば、洗濯を頼むと、なんと川で洗われてしまうこと。
私はそれを知らずに頼んでしまったので、戻ってきた洗濯物は、ちょっと砂埃のにおいがしてゴワゴワしていた。まあ、見た目にはまったく問題なかったけど。

何より一番良かったのは、スタッフが本当にみんなフレンドリーで、親切だったこと。
特に印象深いのは、日本語を上手に話せる若い男性スタッフ、ジョウさん。

バガン滞在初日の朝、チェックインを対応してくれたジョウさんは、私が3日間の滞在だと聞くと、
「じゃあ1日目は馬車ツアーはどうですか? 明日はポッパ山に行くのはどうですか?」
「レストランは、ここから100mぐらい行ったところの○○がおすすめですよ」
などと、いろんなプランの提案をしてくれたり、宿や周辺のお店の説明をしてくれたりした。

バガンは思っていた以上に田舎で、公共の交通機関はまともに無いし、周辺にツアー代理店などもほとんど見当たらない。
なので、彼が最初に対応してくれなかったら、私は3日間一体何をすれば良いのか分からなくなっていたと思う。

ジョウさんは、一人旅の私を気遣ってくれてか、私がロビーを通りかかるたびにいつも日本語で声をかけてくれた。
どういうわけかルックスも日本人に近いというか、日本に普通にいそうな、親近感を感じる顔立ち。
不慣れなミャンマーの田舎での滞在でも、心細さを感じることがなかったのは、彼のおかげだったと思う。

ある晩、私は同じ宿に泊まっていたヨーロッパからの旅行者たちと一緒に、バーに飲みに行った。
夜遅くにみんなで宿に戻ると、ロビーは真っ暗。
よく見ると、狭いロビーの床の上に何人かの人が、横になって寝ていた。

そのうちの一人がむくっと起きた。ジョウさんだった。
ジョウさんは寝ぼけまなこで、私たちに「Good night(おやすみなさい)」と声をかけた。

他の旅行者たちの話によれば、宿のスタッフは、どうやら毎晩こうやってロビーで雑魚寝しているらしい。
早朝から夜遅くまで働いているのに、プライベートも何も無い、タイル貼りのロビーの床で、布団も枕も使わずにゴロ寝って。

ジョウさん、日本語も英語も堪能で、まあまあのイケメンなのに……こういう暮らしなんだ。
一方で、静かな個室のフカフカのベッドに寝て、好き勝手に毎日遊び回っている私たち。
彼は、私たち外国人旅行者の面倒を毎日見ながら、この現実の差を、どういう風に感じているんだろう。

最終日、出発まで少し時間があまったので、ジョウさんとふたりでロビーでおしゃべり。
彼の実家の話、ミャンマーの若い人たちの考え方や生活など、いろいろと教えてもらった。
そして最後に、二人で写真を撮って、お別れした。

ミャンマーの旅を終えてしばらくしてから、ジョウさんからメールが来た。
最後の日に、二人で撮った写真を送って欲しいとのことだった。
私のことを、単なる通りすがりのお客さんじゃなくて、友達として認識してくれたのかな? と思って、うれしくなった。

もちろん、写真をすぐに送って、
「いつかまた絶対、バガンに遊びに行きますね」とメッセージを添えた。

バガンの滞在が素晴らしいものになったのは、この宿とジョウさんのおかげが大きいと思う。
本当に、いつかまた、この宿の泊まりに行けたらいいなと思った。

あ、でも、そのときは一人じゃなく、誰かと一緒がいいな〜 ( ´▽`)
友達や家族にも、この素晴らしい景色を見せてあげたい。

誰もいない寺院の中で、ちょっと休憩[ミャンマー・バガン遺跡]

バガン遺跡めぐりの馬車ツアーの最中、馬車に揺られながら、無性に眠たくなってきた。

のども渇いているし、水分補給が必要だと思った。

私は、食堂かカフェかどこかで休憩を取りたいと思って、運転手さんに、
「ちょっと疲れたので、静かな場所で休憩したいです」と伝えた。
そうしたら連れてこられたのが、ここ。

観光客も地元の人も、誰一人訪れることの無い、朽ちかけた小さな寺院。
たしかに静かな場所だけど、私が意図していた場所と、全然ちがう〜〜!!!

でも、穴場のスポットなんだろうなと思って、せっかくなので入ってみた。
運転手さんは外で待機。
床石の表面は粗くゴツゴツしていて、小石がたくさん転がっている。歩くとかなり痛い。

ほとんど人が立ち入らないせいか、恰好の鳥のすみかになっていて、あちこち鳥のフンだらけ。
一番奥には、真っ暗闇の中、大きな仏様が鎮座していて、なんだか薄気味悪い。

こんな不気味なところで、落ち着いて休憩できるか〜!!
と思ったけど、本当に眠かったので、鳥のフンをよけて、壁にもたれながら床に座り込んだ。

寺院の中は、外の暑さが嘘みたいなくらい、涼しくて渇いた風が吹き抜けている。
耳に入ってくるのは、ゴゴーーーっという風の音と、鳥のさえずりだけ。
外に見えるのは、さらさらと揺れる木々の影と清々しい青い空。

しばらくすると、驚くほど心が安らいでいる自分がいた。
昔の人も、こんな風に寺院の中でくつろいでいたのかなーと想像しながら、自分もバガン王朝が栄えた当時の、ビルマ人になった気分になっていた。

そして、ほんの数十分の間だったけど、気持ちよく爆睡した。

ミャンマー独特の化粧法、タナカ [ミャンマー・バガン]

バガンに住むミャンマー女性や子供の多くは、頬や鼻筋を真っ白な何かで塗りたくっている。

これは、タナカと呼ばれるミャンマー独特の化粧法。

タナカは、木の樹皮をすりおろした粉で、水に溶いて顔に塗る。
肌に優しく、日焼けから守ってくれるらしい。

木の状態で市場などで売られているようだけど、粉の状態で製品化されているものもあり、タナカ化粧品のテレビCMも、目にしたことがある。
それにしても「タナカ」って……日本人には親近感がわく名前だなー。

写真はどれもバガンで撮ったものだけど、ヤンゴンのような都会でも、タナカ人気は根強い。
オシャレに気を使っていそうな若い女性は、さすがに普通の化粧をしている人が多かったけど、タナカで化粧している年配の女性や子供を、ヤンゴンでもよく見かけた。

普通のファンデーションにも、紫外線を防ぐ機能はあるわけだけど。
それにタナカって、元の顔をより良く見せる役割は果たしていないし。
それでも、ミャンマーの女性は、伝統的なタナカの方がお気に入りらしい。
単に安いから、っていうのもあるかもしれないけど。

ミャンマー人は、男性にしても、ジーンズより民族衣装のロンジーをはいている人の方が多い。
ガムじゃなくて昔ながらの噛みタバコをかんで、口の中を真っ赤にしていたり。
外国から入ってくるものを何でもかんでも取り入れるんじゃ無く、 伝統的なものをすごく大切にしているんだなー、という印象を受けた。

バガンの町の風景[ミャンマー・バガン]

バガンの遺跡群があるエリアは、「オールドバガン」と呼ばれ、考古学保護区に指定されている。

このエリア内には、ホテルやお店はほとんど見かけない。民家もほとんどない。

そのため、観光客は遺跡内ではなく、周辺の集落に滞在することになる。
私は、「ニャンウー」という地域に滞在した。
ここは本当に、時の流れが止まったようなところだった。

中心地でも、道路はアスファルトで舗装されておらず、 砂の地面。
トラックやバイクは多かったけど、普通の乗用車はほとんど見かけない。
人々は、馬、水牛、または人力を駆使して荷物を運ぶ。
夕方になると、たくさんの人々が川で入浴をする。

半世紀くらい前のタイでも、こんな感じの暮らしをしていたのかなー、という印象。
タイとミャンマーは隣同士なのに、本当に大きく違う。

一方で、観光客が多いため、現代風のレストランやホテルもチラホラ見かけた。
また、レストランによっては、「Wi-Fi無料」の看板も……町の風景とのギャップがすごい。
電化製品を売っている店なんて見かけなかったけど、携帯電話を持っている人もわりと多かった。

どうでもいい話を思い出したけど、アフリカのマサイ族は、今でも昔ながらの暮らしを続けているけど、携帯電話やスマホは持っているらしい。(※)

インターネットや携帯電話って、不思議な存在だと思う。

(※)参考↓
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO39222170R00C12A3000000/ 

バガン遺跡の砂絵売りのおじさんたち[ミャンマー・バガン]

ミャンマー・バガン遺跡に、何千と点在する大小さまざまな寺院・仏塔群。
その中でも、特に観光客が多く訪れる寺院に行くと、ときどき、
「ひとりで来たんですか? もし良かったら、このお寺を案内してあげますよ。」
とか話しかけてくるミャンマー人のおじさんたちがいる。

こういった人たちには、あまり関わらない方がいいと、思われる人も多いかもしれない。
でも、バガン遺跡のこのおじさんたちだったら、時間があるなら釣られてみるのも悪くないと思う。

私は、馬車ツアーで3軒目に訪れた古い寺院で、そういったおじさんのひとりに声をかけられた。
他の観光客の様子を見ると、同じようなおじさんたちに案内され、お寺の中の壁画などの解説をしてもらっていたので、私も、楽しそうだと思って案内してもらうことにした。

そのおじさんは、寺院内をくまなく案内してくれて、ややおぼつかない英語で丁寧に説明してくれた。
さらに、その寺院の近くにあるという、見晴らしの良い穴場のお寺にも連れて行ってもらった。
私はおじさんのガイドに満足して、チップを渡そうとしたけど、なんとチップはいらないと言う。

聞けば、自分は絵を描いていて、それを見てもらえればOKだと。
なんだ、絵の押し売りか……

まあいいや、適当にあしらって、最終的にはチップだけ置いて逃げようと思って、とりあえず見せてもらうことにした。
そうしたら、なかなか良さげな、仏画やアジアっぽい図柄の砂絵の数々。
ちゃんと1枚1枚手描きのようだった。

ここ最近仏教にハマりつつあった私は、興味をひかれたので、一応値段を聞いてみた。
そうしたらなんと、簡単な図柄のものは1枚5ドル、複雑なものでも10ドル! 安っっ!!
ガイドまでやってもらったことを考えると、値引き交渉するのが悪いくらい……

私は、少し悩んだ末、たくさんの象が描かれた5ドルの絵を購入することにした。
旅の思い出にもなるし、何より安いし、言うこと無しだ♪ ( ̄▽ ̄)

そのあと他の寺院を訪れたとき、また別のおじさんに話しかけれた。
「もし良かったらお寺を案内しますよ。
英語を勉強しているから、英語で外国の人たちとお話したいんです。
お金はいらないです。」
とおじさん(2)は言う

……とかいいつつ、きっとあとで絵を売ろうとするんだろう。

でも、さっきのおじさんのところで、仏画を買わなかったことをちょっと後悔していた私は、おじさん(2)にもガイドをお願いすることにした。

おじさん(2)は、なかなか英語が上手。
寺院の古い石碑に書かれてある内容や、ミャンマーで起こった大地震の話など、色んなことを教えてくれた。
ぽっちゃりしていてフレンドリーで、愛嬌がある。
……もしかしたら、よく見るとおじさんでは無いかも。私より若いかもしれない。
まぁ、いいか。

おじさん(2)は、パソコンを持っていないし使ったこともないのに、私のメールアドレスを教えてほしいという。
この手帳に書いて欲しい、と言ってみせてくれた手帳には、いろんな国の人たちの名前とメールアドレスがビッシリ書かれてあった。

いつか、ミャンマーがもっと豊かになれば、自分ももっと良い仕事について、パソコンが自由に使えるようになる。
そのときに、このガイドのお仕事で知り合った世界中の人たちに、メールを送るのが夢だそうだ。

そんな話を聞いてしまったので、私もついついメールアドレスを手帳に書いてしまった。
あれから3ヶ月以上たつけど、もちろん、今のところまだメールは来ていない。
いつかおじさん(2)が本当に、世界中の人たちにメールを送ることができる日が来ればいいなと思う。

おじさん(2)はやっぱり絵売りで、彼の絵は、最初のおじさんよりも少しレベルが高かった。
バガンのおみやげの砂絵は、描いてる人によって全然レベルが違うようで、もっと色んな人の絵を見て吟味してから買えば良かったかな、とちょっと思った。

たくさん並べられた絵の中から、色がきれいで、お釈迦様が描かれたものを何枚かピックアップ。
どれにしようか悩んでいると、おじさん(2)が、「弥勒菩薩の絵もありますよ」と。
ちなみに、そこだけ日本語で「ミロクボサツ」と発音していた。

み、弥勒菩薩!?

ミャンマーは、タイと同じ上座部仏教。
旅行中いくつかのお寺を訪ねたけど、菩薩像を見た覚えがなかったので、ちょっとびっくり。

「ミャンマーの人たちも、弥勒菩薩を拝んだりするの?」と聞くと、
「うーーん、弥勒菩薩は上から5番目ぐらいの地位ですからね。あまり人気はないです」と言っていた。

もしかしたら、中国人や日本人観光客向けに描かれたものなのかもしれない。
ミャンマーらしさをとるなら、やっぱりお釈迦様の絵なんだろうけど。

でも、自分の部屋に貼ったとき、感覚的になじむというか親しみがわくのはどっちかと考えたら、日本人の私はやっぱり弥勒菩薩だなと思ったので、弥勒菩薩の絵を買うことにした。
値段は、ここでも激安価格の5ドル。ありがとう、おじさん(2)!

ちなみにおじさんたちが売る砂絵、遺跡内以外の場所では見かけなかった。
ヤンゴンでも、バガン中心地のマーケットでも、空港でも売っていない。
何気にレアアイテムかもしれない。

絵の値段も安いし、おじさんたちとのコミュニケーションもなかなか楽しいし。
自分が払った値段よりも、はるかに価値のある経験と、良い旅のおみやげが手に入った。