私がタイを好きな理由と、日本とタイの違い[チェンマイの思い出]

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過去の写真の整理をしていて、見つけたこの写真。

2010年のチェンマイ、クリスマスの日。
宿泊したホテルがある狭い路地で、出会ったかわいい子供たち。

これを見ていたら、写真とは直接関係ないんだけど、この日遭遇した、ちょっぴり心温まった出来事を思い出したので、書いてみることにした。


このとき私は、日本から数日間の短い日程で、友人二人とチェンマイに遊びに来ていた。

チェンマイは、タイの北部にある街で、首都バンコクに次いでタイ第二の都市と言われている。

第二の都市とはいっても、高層ビルはほとんど無く、人や車の流れはとてもゆるやか。
大都会バンコクとは比較にならないくらい、のんびりとした時間が流れる街だ。

一緒に来ていた友人たちは、2泊のみの弾丸スケジュール。
クリスマスのディナーを食べた後、二人は空港へ出発し、先に日本へ帰ってしまった。
もう1泊滞在の私はひとり残り、夜のチェンマイを散策することに。

クリスマスのチェンマイは、街全体でフェスティバルが繰り広げられていた。
あちこちで特設ステージが作られ、バンドの演奏や子供たちのダンスが披露されている。
広場や通りにはたくさんの屋台が立ち並び、タイ料理独特のスパイシーで香ばしい匂いに包まれていた。

私は、色とりどりのイルミネーションに飾られたクリスマスの町中を、おみやげのショッピングを楽しみつつの一人歩き
でも、1〜2時間ほど歩き回ったら、なんとなく寂しくなってきたので、ホテルに戻ることにした。

ホテルへと続く裏通りは、どこか懐かしい雰囲気の古い食堂や小さな商店が立ち並ぶ。
時間はすでに22時近かったので、どのお店もすでに閉まっていた。

ふと前方を見ると、暗闇の中に人だかりができているのに気付いた。
おそらく散髪屋さんと思われる店舗の入り口に、15人くらいの人が集まっている。ほとんどは子供たち。

「なんだろう? 何かあったのかな?」
と思っていると、聞き慣れたメロディーが耳に飛び込んできた。

「ハッピーバースデー・トゥー・ユー♪」
「ハッピーバースデー・トゥー・ユー♪」


よく見ると、男性がひとり、大きなバースデーケーキをお店の中へと運んでいる。
そして、ケーキを取り囲みながら、子供たちが近所中響くような大声で歌っていた。

「こんな時間に、こんな大声出して大丈夫かな。近所の人が文句言ってこないかな?」
と思う私の心配は、ここではまったく的外れなものだった。

歌を聞きつけた近所の人たちが、続々と笑顔で家を飛び出していたのだ。
そして、バースデーケーキの輪の中に、一緒に加わっていた。

街灯の消えた真っ暗な裏通りで、ケーキにのせられたたくさんのキャンドルの光が、ケーキを取り囲む人たちの笑顔をほのかに照らし出す。
子供たちも、後から集まってきた大人も、みんな満面の笑顔だ。
なんて、温かい光景なんだろう。

私はこのとき思った。こういう光景こそが、私がタイを好きな理由なんだと。
タイには良いところがたくさんある。
タイ料理、美しいビーチ、マッサージ、仏教文化、綺麗な女性とオカマちゃん、どれをとっても素晴らしい。
だけどそれ以上に私が惹かれるのは、こういった、人と人との温かいつながりなんだと思う。

日本では、多くの家が窓と門を固く閉ざし、外とのつながりをシャットアウトしてしまっている。
家の外で賑やかに騒いでいる他人たちは、目の敵になってしまうことが多い。

私には、チェンマイでのこの出来事と、とても対象的な日本での思い出がある。
学生のころ、友人たちと公園で花火をしながら談笑していたら、近くの家に住む男性が、どなりこんできた、というもの。
まだ時刻は夜の8時過ぎ。しかも、その家は50mぐらい離れていた。
私たちの笑い声も、それほど大きくは無かった。

こういうのは、たぶん、音自体は実はそれほど迷惑でもなんでもないんだと思う。
こういう行為を非常識だと定義してしまうから、相手のことが許せなくなるし、また、無関係な他人だと思うから、容赦のない対応をしてくるんだろうと思う。
幸せなひとときを楽しんでいる人たちを、温かく放っておく心の余裕が、どうしてみんな無いんだろうか。

タイの社会ではごく当たり前の、“迷惑はお互い様”の精神からくる寛容さと、他人との間の低い垣根
日本人はいつのまにかそれを失ってしまったのか、それとももともと無かったのかは、私にはよくわからないけど。

タイのこういう感覚が、私にとってはとても新鮮で、うらやましく感じる。
そして私も、タイの人々のようにもっとおおらかに、他人のことを受け入れられたら、と思う。

チェンマイの人たちは、ひとりぼっちのクリスマスの夜に、幸せな気持ちを私に分けてくれて、いろいろなことを考えさせてくれた。

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私がタイを好きな理由と、日本とタイの違い[チェンマイの思い出]” への2件のコメント

  1. いや、公園で花火は禁止されてるんですよ。公園は小さい子が遊ぶ為の場所で、火を使うと乳幼児は危なくて入れなくなりますから。それを許すとなし崩しに他の人も真似します。ルールはルール、日本とかタイとか関係なく、どこにいても郷に入れば後に従えです。あなた方を叱った方は、それを注意していたのだと思います。ルールは守って、大人は川べりなど、お住まいの地区が許可してる場所で花火しましょう^^ 私もタイのおおらかなとこは好きです。日本は逆にきちっとしていて治安が良いとこが素晴らしい。タイを持ち上げるのに自国を貶める必要はないと思います。

    • こんにちは。コメントありがとうございます。
      公園の苦情については「うるさい静かにしろー!」と怒鳴りこんできたので、花火を注意したわけではないんです。公園の花火が禁止されているかどうかは自治体によって違うようで、そういう条例があるところと無いところがあるようです。この出来事はもう20年以上前の話(私はアラフォーでこれは高校一年生のときの話です)で、当時そういった条例がうちの地元にあったかどうかは定かじゃないですが、あったとしても一般的に知られておらず、誰でも普通にみんな公園で花火をやっている時代でした。
      私は、日本とタイ両方大好きです。大好きとはいっても、日本もタイも完璧とは思っていません。どちらにも良いところと悪いところがあると思います。この記事のテーマは、「私が思う、今の日本には無いタイの良いところ」です。たしかに日本を下げていますが、タイの良いところを説明するための比較対象として、必要性があってそうしておりますので……( ´ ▽ ` ;)。この記事ではたまたま日本の悪いことしか書いてないですが、他の記事では日本の良いところもたくさん書いてます。ご理解をいただければうれしいです。

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