バガン遺跡の砂絵売りのおじさんたち[ミャンマー・バガン]

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ミャンマー・バガン遺跡に、何千と点在する大小さまざまな寺院・仏塔群。
その中でも、特に観光客が多く訪れる寺院に行くと、ときどき、
「ひとりで来たんですか? もし良かったら、このお寺を案内してあげますよ。」
とか話しかけてくるミャンマー人のおじさんたちがいる。

こういった人たちには、あまり関わらない方がいいと、思われる人も多いかもしれない。
でも、バガン遺跡のこのおじさんたちだったら、時間があるなら釣られてみるのも悪くないと思う。

私は、馬車ツアーで3軒目に訪れた古い寺院で、そういったおじさんのひとりに声をかけられた。
他の観光客の様子を見ると、同じようなおじさんたちに案内され、お寺の中の壁画などの解説をしてもらっていたので、私も、楽しそうだと思って案内してもらうことにした。

そのおじさんは、寺院内をくまなく案内してくれて、ややおぼつかない英語で丁寧に説明してくれた。
さらに、その寺院の近くにあるという、見晴らしの良い穴場のお寺にも連れて行ってもらった。
私はおじさんのガイドに満足して、チップを渡そうとしたけど、なんとチップはいらないと言う。

聞けば、自分は絵を描いていて、それを見てもらえればOKだと。
なんだ、絵の押し売りか……

まあいいや、適当にあしらって、最終的にはチップだけ置いて逃げようと思って、とりあえず見せてもらうことにした。
そうしたら、なかなか良さげな、仏画やアジアっぽい図柄の砂絵の数々。
ちゃんと1枚1枚手描きのようだった。

ここ最近仏教にハマりつつあった私は、興味をひかれたので、一応値段を聞いてみた。
そうしたらなんと、簡単な図柄のものは1枚5ドル、複雑なものでも10ドル! 安っっ!!
ガイドまでやってもらったことを考えると、値引き交渉するのが悪いくらい……

私は、少し悩んだ末、たくさんの象が描かれた5ドルの絵を購入することにした。
旅の思い出にもなるし、何より安いし、言うこと無しだ♪ ( ̄▽ ̄)

そのあと他の寺院を訪れたとき、また別のおじさんに話しかけれた。
「もし良かったらお寺を案内しますよ。
英語を勉強しているから、英語で外国の人たちとお話したいんです。
お金はいらないです。」
とおじさん(2)は言う

……とかいいつつ、きっとあとで絵を売ろうとするんだろう。

でも、さっきのおじさんのところで、仏画を買わなかったことをちょっと後悔していた私は、おじさん(2)にもガイドをお願いすることにした。

おじさん(2)は、なかなか英語が上手。
寺院の古い石碑に書かれてある内容や、ミャンマーで起こった大地震の話など、色んなことを教えてくれた。
ぽっちゃりしていてフレンドリーで、愛嬌がある。
……もしかしたら、よく見るとおじさんでは無いかも。私より若いかもしれない。
まぁ、いいか。

おじさん(2)は、パソコンを持っていないし使ったこともないのに、私のメールアドレスを教えてほしいという。
この手帳に書いて欲しい、と言ってみせてくれた手帳には、いろんな国の人たちの名前とメールアドレスがビッシリ書かれてあった。

いつか、ミャンマーがもっと豊かになれば、自分ももっと良い仕事について、パソコンが自由に使えるようになる。
そのときに、このガイドのお仕事で知り合った世界中の人たちに、メールを送るのが夢だそうだ。

そんな話を聞いてしまったので、私もついついメールアドレスを手帳に書いてしまった。
あれから3ヶ月以上たつけど、もちろん、今のところまだメールは来ていない。
いつかおじさん(2)が本当に、世界中の人たちにメールを送ることができる日が来ればいいなと思う。

おじさん(2)はやっぱり絵売りで、彼の絵は、最初のおじさんよりも少しレベルが高かった。
バガンのおみやげの砂絵は、描いてる人によって全然レベルが違うようで、もっと色んな人の絵を見て吟味してから買えば良かったかな、とちょっと思った。

たくさん並べられた絵の中から、色がきれいで、お釈迦様が描かれたものを何枚かピックアップ。
どれにしようか悩んでいると、おじさん(2)が、「弥勒菩薩の絵もありますよ」と。
ちなみに、そこだけ日本語で「ミロクボサツ」と発音していた。

み、弥勒菩薩!?

ミャンマーは、タイと同じ上座部仏教。
旅行中いくつかのお寺を訪ねたけど、菩薩像を見た覚えがなかったので、ちょっとびっくり。

「ミャンマーの人たちも、弥勒菩薩を拝んだりするの?」と聞くと、
「うーーん、弥勒菩薩は上から5番目ぐらいの地位ですからね。あまり人気はないです」と言っていた。

もしかしたら、中国人や日本人観光客向けに描かれたものなのかもしれない。
ミャンマーらしさをとるなら、やっぱりお釈迦様の絵なんだろうけど。

でも、自分の部屋に貼ったとき、感覚的になじむというか親しみがわくのはどっちかと考えたら、日本人の私はやっぱり弥勒菩薩だなと思ったので、弥勒菩薩の絵を買うことにした。
値段は、ここでも激安価格の5ドル。ありがとう、おじさん(2)!

ちなみにおじさんたちが売る砂絵、遺跡内以外の場所では見かけなかった。
ヤンゴンでも、バガン中心地のマーケットでも、空港でも売っていない。
何気にレアアイテムかもしれない。

絵の値段も安いし、おじさんたちとのコミュニケーションもなかなか楽しいし。
自分が払った値段よりも、はるかに価値のある経験と、良い旅のおみやげが手に入った。

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